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(このお話で出てくる怪奇チャンネルの契約者は、読み切りの主人公ではありません) 吐く息が白く、凍り付く。 少女はドアを開け、外を見た。 満点とまではいかないが、綺麗な星が輝く夜空だった。 マンションの7階から見える、下半分の世界は少女からすると澱んで見えた。 澱みを一睨みすると少女は、近くにあったファーの付いたケープを羽織り、玄関から足を踏み出す。 「まったく、これじゃお嬢様と言わんばかりのコーディネートじゃない」 少女は玄関の鍵をかけ、ヴァイオリンケースを模した鞄に鍵をしまい込む。 「ま、いっか。こんな時間に出歩いてる人は、ある程度までは、同じような人よね」 夜は氷点下まで冷え込むと、普通のテレビのアナウンサーが言っていた。 普通じゃないアナウンサーは、こう言っていた。 『今夜は、冷や汗も凍る寒い夜になるでしょう』 少女は、スカートのポケットからケータイを取り出す。 ケータイでスカートが、ぽっこりでるのは女の子としてどうだろうとも思うが、いざって時に一番頼れるのがこれしかないので、仕方がない。 カチカチとケータイをいじりながら、夜の町の探索を始める。 ケータイのメニューを開き、ワンセグをクリックする。 普通じゃないアナウンサーの出る番組がもうすぐ始まる。 時刻は、1 59 少女のケータイがあり得ないテレビ局の電波を受信する。 N○Kが映るはずのチャンネルで、二時を知らせる時報が鳴る。 怪奇チャンネルの始まりだ。 ○にも奇妙な物語を調子っぱずれにしたOPが流れる。 少女は、ケータイを見つめながら、周囲に神経を張り巡らせた 。 こんな夜中に女性が一人。 良くも、悪くも、人を寄せ付ける。 まぁ、系統的には弱ロリータファッションだが、今時珍しくもないだろう。と、思う。 少女が悶々と自身を変な自信で勇気づけている間に、番組は進行していく。 今日の内容は『人魚と魚人の違い』と『あの世ツアー地獄巡り三巡目』と、あとはちょっと覚えてられなかった。 「今日はハズレか。もう30分もたってるのに」 少女がいくら厚着しているとはいえ、とっくに体の芯まで冷えている。 「帰ろう、作戦の立て直しだわ」 『次は、学校町のピックアップ都市伝説&契約者です』 「待ってました!!」 食い入るようにケータイを見つめ、本体を握り直す。 画面の中の喪服のアナウンサーは淡々と抑揚のなく、まるでお悔やみを申し上げるように都市伝説と契約者の名前を告げていく。 「さあ、早くしないとあなたの名前が出るわ」 少女は、首から下げたネックレスを服の上から確認する。 少女の気持ちの高ぶりとは裏腹に、付近には物音一つしない。 街頭や、殆どの家から消されたはずのわずかな明かりだけが、世界からの文化的な息遣いだった。 『では、続いて次の~』 気が付けば、44分人の都市伝説と契約者の名前が垂れ流され、何事もなかったように次の番組に移行していた。 「・・・。ダメか」 少女はふう、と真白の青息吐息。 「実行してみただけ、良いよね。寒いし、帰ろう」 少女が踵を返そうとしたとき、足が止まった。 怪奇チャンネルが映し出していたのが、学校町。しかも、自分が今さっき通ってきた場所だったからだ。 画面が激しくブレている。カメラを持ったまま走っているところなのだろう。 脇のテロップを見る。ケータイの画面では、小さくて読めない。 『我々は今、ピックアップ都市伝説、ワーストランキングに入るだろう期待の新人を追っています』 ちょうど良く喪服のアナウンサーの説明が青白い顔と共に入り、画面外に消えていった。 ごくり。 少女は、生唾を飲んだ。 この、近くだ。怪奇チャンネルのクルーがこの近くまできている。 少女にとっての問題は勿論怪奇チャンネルのクルーではない。 「都市伝説・・・ワースト・・・」 少女が、身を強ばらせたときだった。 「動くな」 背後で男性の声がした。 声から多分、老けていないことはわかった。 それ以上にわかったことは、後ろの人間の尋常じゃない殺気と、背中に当たる尖ったものだった。 殺気に関しては、まだ。認識はしているが、理解はしていなかった。 こんな時間に出歩いているなんて、変質者か、犯罪者か、目的があって動いているやっぱしちょっと認識のはずれた人かしかいない。 平たく言えば、同族なんだろう。 都市伝説という言葉を吐いた、タイミングと言い。 思惑は、当初の作戦通り。 後ろをとられたことは、作戦のイメージ外だった。 少女は、今のところ"動くな"という命令に従っていた。 次に動きがあれば、打開策に打って出る。 少女が気合いを入れて、ヴァイオリンケースを握りしめたときだった。 「チッ、お前は違う」 背中に付いた、尖った感覚が離れていく。 後ろの人物が駆け出すのと、振り向いたのはほぼ同時。 まず目に入ったのは、ファー付きの白いダウンジャケット。 フードを被った頭は、顔は見えない。黒いズボンに、白いスニーカー。 少女は、今し方まで突きつけられていた、凶器の確認をする。 愕然とした。 思わず、言葉が口を付いて出た。 いや違う。言葉が常識、配慮、その言葉を吐いたことで陥る気まずい空気。何もかもをすっ飛ばして出てきた。 「・・・スプーン・・・」 少女の頭の中で、小さくなる白い服と、小学生の時に食べた給食の時の映像がダブる。 そう、給食で使った金属のスプーン。別名、すいかスプーン。 少女は、疑問を感じた。 何故自分はあれを、尖った凶器だと勘違いしたか? どう考えてもあれは、尖った凶器にはなり得ない。 もう一つ。何故、あんなにハッキリとスプーンが、スプーンだと認識できたか? 街灯があるとはいえ、夜の闇の中。 去っていく人間を確認できたのも、白い服を着ていたからだった。 「・・・?、去って・・・。ああ!」 少女は、頭を抱えた。みすみす見逃したのだ。 向こうから現れた、都市伝説の契約者を! 見ず知らずの自分を狙ってくるあたり、無差別の犯罪者だ! 「あれ、でも・・・」 少女は頭の中でリピートする。 "お前は違う"という台詞。 「意味は何?誰なら、当たりなのよ?」 ひどく不鮮明になった頭とは逆に、ようやく昨日を思い出した五感は電気信号を脳に伝える。 聴覚が、流れっぱなしの怪奇チャンネルの音声を拾う。 ケータイを見た。 『今、この公園に潜んでいる模様です』 テレビクルーのライトだけが、当たりを照らしている。 昼間のうちに、学校町の地図は頭に叩き込んだ。 街灯が一つもない公園。あそこしかない! 少女はヴァイオリンケースを小脇に抱え、走り始めた。 プロローグ 終
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(このお話で出てくる怪奇チャンネルの契約者は、読み切りの主人公ではありません) 吐く息が白く、凍り付く。 少女はドアを開け、外を見た。 満点とまではいかないが、綺麗な星が輝く夜空だった。 マンションの7階から見える、下半分の世界は少女からすると澱んで見えた。 澱みを一睨みすると少女は、近くにあったファーの付いたケープを羽織り、玄関から足を踏み出す。 「まったく、これじゃお嬢様と言わんばかりのコーディネートじゃない」 少女は玄関の鍵をかけ、ヴァイオリンケースを模した鞄に鍵をしまい込む。 「ま、いっか。こんな時間に出歩いてる人は、ある程度までは、同じような人よね」 夜は氷点下まで冷え込むと、普通のテレビのアナウンサーが言っていた。 普通じゃないアナウンサーは、こう言っていた。 『今夜は、冷や汗も凍る寒い夜になるでしょう』 少女は、スカートのポケットからケータイを取り出す。 ケータイでスカートが、ぽっこりでるのは女の子としてどうだろうとも思うが、いざって時に一番頼れるのがこれしかないので、仕方がない。 カチカチとケータイをいじりながら、夜の町の探索を始める。 ケータイのメニューを開き、ワンセグをクリックする。 普通じゃないアナウンサーの出る番組がもうすぐ始まる。 時刻は、1 59 少女のケータイがあり得ないテレビ局の電波を受信する。 N○Kが映るはずのチャンネルで、二時を知らせる時報が鳴る。 怪奇チャンネルの始まりだ。 ○にも奇妙な物語を調子っぱずれにしたOPが流れる。 少女は、ケータイを見つめながら、周囲に神経を張り巡らせた 。 こんな夜中に女性が一人。 良くも、悪くも、人を寄せ付ける。 まぁ、系統的には弱ロリータファッションだが、今時珍しくもないだろう。と、思う。 少女が悶々と自身を変な自信で勇気づけている間に、番組は進行していく。 今日の内容は『人魚と魚人の違い』と『あの世ツアー地獄巡り三巡目』と、あとはちょっと覚えてられなかった。 「今日はハズレか。もう30分もたってるのに」 少女がいくら厚着しているとはいえ、とっくに体の芯まで冷えている。 「帰ろう、作戦の立て直しだわ」 『次は、学校町のピックアップ都市伝説&契約者です』 「待ってました!!」 食い入るようにケータイを見つめ、本体を握り直す。 画面の中の喪服のアナウンサーは淡々と抑揚のなく、まるでお悔やみを申し上げるように都市伝説と契約者の名前を告げていく。 「さあ、早くしないとあなたの名前が出るわ」 少女は、首から下げたネックレスを服の上から確認する。 少女の気持ちの高ぶりとは裏腹に、付近には物音一つしない。 街頭や、殆どの家から消されたはずのわずかな明かりだけが、世界からの文化的な息遣いだった。 『では、続いて次の~』 気が付けば、44分人の都市伝説と契約者の名前が垂れ流され、何事もなかったように次の番組に移行していた。 「・・・。ダメか」 少女はふう、と真白の青息吐息。 「実行してみただけ、良いよね。寒いし、帰ろう」 少女が踵を返そうとしたとき、足が止まった。 怪奇チャンネルが映し出していたのが、学校町。しかも、自分が今さっき通ってきた場所だったからだ。 画面が激しくブレている。カメラを持ったまま走っているところなのだろう。 脇のテロップを見る。ケータイの画面では、小さくて読めない。 『我々は今、ピックアップ都市伝説、ワーストランキングに入るだろう期待の新人を追っています』 ちょうど良く喪服のアナウンサーの説明が青白い顔と共に入り、画面外に消えていった。 ごくり。 少女は、生唾を飲んだ。 この、近くだ。怪奇チャンネルのクルーがこの近くまできている。 少女にとっての問題は勿論怪奇チャンネルのクルーではない。 「都市伝説・・・ワースト・・・」 少女が、身を強ばらせたときだった。 「動くな」 背後で男性の声がした。 声から多分、老けていないことはわかった。 それ以上にわかったことは、後ろの人間の尋常じゃない殺気と、背中に当たる尖ったものだった。 殺気に関しては、まだ。認識はしているが、理解はしていなかった。 こんな時間に出歩いているなんて、変質者か、犯罪者か、目的があって動いているやっぱしちょっと認識のはずれた人かしかいない。 平たく言えば、同族なんだろう。 都市伝説という言葉を吐いた、タイミングと言い。 思惑は、当初の作戦通り。 後ろをとられたことは、作戦のイメージ外だった。 少女は、今のところ"動くな"という命令に従っていた。 次に動きがあれば、打開策に打って出る。 少女が気合いを入れて、ヴァイオリンケースを握りしめたときだった。 「チッ、お前は違う」 背中に付いた、尖った感覚が離れていく。 後ろの人物が駆け出すのと、振り向いたのはほぼ同時。 まず目に入ったのは、ファー付きの白いダウンジャケット。 フードを被った頭は、顔は見えない。黒いズボンに、白いスニーカー。 少女は、今し方まで突きつけられていた、凶器の確認をする。 愕然とした。 思わず、言葉が口を付いて出た。 いや違う。言葉が常識、配慮、その言葉を吐いたことで陥る気まずい空気。何もかもをすっ飛ばして出てきた。 「・・・スプーン・・・」 少女の頭の中で、小さくなる白い服と、小学生の時に食べた給食の時の映像がダブる。 そう、給食で使った金属のスプーン。別名、すいかスプーン。 少女は、疑問を感じた。 何故自分はあれを、尖った凶器だと勘違いしたか? どう考えてもあれは、尖った凶器にはなり得ない。 もう一つ。何故、あんなにハッキリとスプーンが、スプーンだと認識できたか? 街灯があるとはいえ、夜の闇の中。 去っていく人間を確認できたのも、白い服を着ていたからだった。 「・・・?、去って・・・。ああ!」 少女は、頭を抱えた。みすみす見逃したのだ。 向こうから現れた、都市伝説の契約者を! 見ず知らずの自分を狙ってくるあたり、無差別の犯罪者だ! 「あれ、でも・・・」 少女は頭の中でリピートする。 "お前は違う"という台詞。 「意味は何?誰なら、当たりなのよ?」 ひどく不鮮明になった頭とは逆に、ようやく昨日を思い出した五感は電気信号を脳に伝える。 聴覚が、流れっぱなしの怪奇チャンネルの音声を拾う。 ケータイを見た。 『今、この公園に潜んでいる模様です』 テレビクルーのライトだけが、当たりを照らしている。 昼間のうちに、学校町の地図は頭に叩き込んだ。 街灯が一つもない公園。あそこしかない! 少女はヴァイオリンケースを小脇に抱え、走り始めた。 プロローグ 終
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両親が死んだ。死因は不明。 酷い死に方だったらしい。病院に駆け付けた時には既に死んでいて、遺体は見せてもらえなかった。死体はあちこち虫に喰われ、発見した人は吐いたらしい。 そんな事件にも拘わらず、新聞やテレビで両親の事はほとんど報道されなかった。 揉み消された。そう感じた。 だから、これは都市伝説関係の事件だと思った。 両親の死によって、私は一人になった。二人とも親戚がいなかったのだ。 正確には、私が契約している都市伝説もいるから二人なのだが、私にとってそれはあまり意味のある事では無かった。 一度、自殺も考えた。いきなり一人になった家は、寂しかったのだ。 けれど、結局自殺はしなかった。私は、両親を殺した都市伝説を探そうと考えた。理由は、復讐。今の、私の生き甲斐。 宛があったわけではない、ただ、死ぬ前に何かしたかった。 「よう、」 「あ、先輩。おはようございます。」 通学途中、先輩に声をかけられた。先輩は私と同じ部活で数少ない男子だ。寝不足なのかよく寝ている姿を見かける。 「あー、その、何だ。まだ、落ち込んでるのか?」 「いえ、大丈夫です。」 実際、今は落ち込んでなんかいない。少し前までは泣き続けていたが、それよりも犯人を見つけなければ。 「なんつーか、最近は物騒だな、行方不明とか殺人とか。お前、危なくなったら引っ越せよ。」 引っ越しなんかするわけない。先輩が心配してくれているのは分かるが、犯人はこの辺に住んでいる可能性が高いのだ。引っ越したら復讐の機会を失うじゃないか。 「あ、お帰りなさい」 家に帰ると、私の都市伝説がいた。まあ、昼間から外を出歩けるような容姿ではないから当然なのだが。 私がこの都市伝説と出合ったのはそれほど昔の事ではないが、都市伝説が実際に存在している事を知ったのはいつのことだったか。 たしか、よく遊んでいた子が契約者だったような気がする。珍しくあの子が嘘をつかなかったと驚いたものだ。 犯人捜しは一向にに進まなかった。 情報が無いのだ。 都市伝説による事件など、連続殺人か大量殺人でもないかぎり隠蔽される。と言っても、この辺りでは事件が多過ぎるのか、隠蔽しきれずに怪情報が飛び交っているが。 「そうは言ってもですね、そんな噂だけでですね、犯人を見つけるなんてですね、無理があると思うんですね。」 「五月蝿い。そんな事分かってるわ。それでも捜すのよ。」 「あ、あ、ごめんなさい。怒らないでほしいんですね。 で、でもですね、この辺はですね、一応平和って事になっているんですね。あのですね、都市伝説だらけでですね、なかからでは異様さに気付けないんですね。色々と飽和状態なんですね。」 こいつは何が言いたいんだ。犯人捜しなんか無理だと言いたいのか? ふと、気付く。気付いてしまう。 先輩は何故、殺人や行方不明が多い事を知っていたんだろう。気にしていたんだろう。いや、それだけなら気にする程の事ではない。 「危なくなったら引っ越せ」って何だ!?「危ないから気をつけろ」なら分かる。だが、引っ越せ? 間違いない、先輩はこの辺りの異常さに気付いている。先輩は契約者だ。まさかとは思うが、先輩が犯人の可能性もある。そう、先輩が、犯人。 落ち着け。決めつけてはいけない。確かめないと、先輩が、犯人かどうか。 「行くよ!」 「え?え?何処にですか?」 「先輩の家!!」 「で、でも、もう夜なんですね。迷惑になるんzy「はやく準備しろ!!!」 わ、わ、ごめんなさい。」 今夜は新月か。 私は先輩の、犯人の家へ駆け出した。 あいつを外に待機させ、先輩の家に入る。なぜか鍵は掛かっていなかった。そして先輩の家で見たモノは、リビングに転がる 先輩の死体だった。 死体には無数の虫。1mはあるミミズに似た生物達。そいつらが死体を喰っていた。 「おや、お客さんのようだ。応対しなくて良いのかい?って、死んでるから無理だわな。」 そして、二十歳ぐらいの男がいた。そいつは薄気味悪い笑みを浮かべ、何故か右目を閉じていた。見えないのだろうか。 「あなた、誰ですか?」 「俺が誰か、か。名前、所属、身分、どれを言っても分からんわな?まあ、その質問に答えるなら モンゴリアン・デスワームの契約者だわ」 「なんで先輩を殺したんですか?」 そう、何故先輩を。私が殺すはずだったのに。 先輩を、先輩を、先輩を先輩を先輩を先輩を犯人を先輩を先輩を犯人を犯人を先輩を殺す殺す殺す殺すはずだったのに。私の復讐を台なしするなんて。 「先輩?あ、この男のことか。んー、君に分かるかな。この男、組織って集団の人間なんだわ。で、俺は反組織集団に所属してるんだわ。まぁ、一番の理由はそれだわな。 あ、ちょっと聞いてくれる?俺さぁ、組織が嫌いでそこに所属したんだわ、なのに最近全然活動しねぇの。だからさぁ、最近憂さ晴らしに道歩いてた夫婦襲ったんだわ。」 ………………え? 「その話したらさ、こいつすっげえ怒ったんだわ。後輩の親がどうのこうのーってさ、そんな事、知らないって。 んん?後輩?先輩?……あー、もしかして後輩って」 「おぉぉまあぁあぁえぇぇぇぇぇかあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁああぁぁ!!!!!」 「おー恐い恐い。ま、君が怒ったとこで、何も出来やしないわな。」 「私だって契約者だ!来い!!テケテケ!!!」 「は、はいですね!」 「テケテケ?ハハッ、そんなので俺と戦おうってのかい?そいつは何が出来るんだ?速く走れるのか?上半身しかないが、そいつは戦えるのか?」 こいつは何を言って……ああそうか、モンゴリアン・デスアームはそれ自体に戦闘力があるから、特殊能力を知らないのかもしれない。今まで、そういう相手と戦った事がないのかもしれない。 「知ってます?テケテケの話の一つ。事故で下半身が無くなった後、寒さで血管が収縮し血が止まり即死出来ずに暫く苦しんだ、って話なんですけど。」 「それくらい知ってるさ。で、それがどうしたよ。」 「本当に知らないみたいですね。都市伝説の特殊能力のこと。」 「特殊能力?」 「ところで、今日は随分と寒いですが、虫は大丈夫ですか?」 私のテケテケは温度を操る。今、犯人と虫のいる場所の気温は氷点下。寒くなれば虫は冬眠する。これであいつを守るモノは無くなる。 このまま凍死させる事も出来る。しかし、それじゃ私の気がすまない。この手で、私の手で、殺す殺す殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロスコロスころすbxd殺スこロsuコロす殺す 「なるほど、確かにこれは寒い。凍え死にそうだ。 それじゃ、こっちからも質問。モンゴリアン・デスアームって、電気だせるって知ってた?」 そう言って、犯人は右目を開き バチンッ 家が停電した。 突然の暗闇に何も見えなくなる。 部屋の何処かの窓が開く音と犯人の声が聞こえてくる。 「あっちこち電線をショートさせたから暫く明るくならないんで。そいじゃ、また会おう。」 は?……逃げる?犯人が、逃げ、る? 「にぃがああぁすかああああぁぁぁ!!!」「だ、駄目ですね!!」 馬鹿が私の腰にしがみついて邪魔をする。邪魔邪魔邪魔、あいつをあいつをころコロさないと殺さナぃト犯人が逃げる逃げる父さんの仇母さんノ仇先輩のイ九殺す殺さないと殺せ殺そう 「駄目ですね!あっちまだ虫がいるんですね!罠があるかもなんですね!この暗闇じゃ虫が近寄って来ててもわからないんですね!はやくここを離れたほうが良いんですね!」 知るか知るか知るか知るかあああぁぁあぁあいつを殺させろぉぉおおぉぁぉおお前から先に死ぬかああああわたしの邪魔をするなあああぁぁEjEtPGめつネ$†@#*〆∞仝⊇∝∬‰¶!!! 多くの人が私の前を横切る。 月曜日の朝。怠そうな顔のサラリーマン、友達を見かけ笑顔になる小学生、テストがある事を忘れていたと泣き顔の中学生。 本当なら私もあのなかの一人のはずだ。でも、私にそんな事ををしている暇はない。 私は犯人の顔をを見たのだ。そして犯人ははこの辺りにいるはず。だから捜さないと、捜さないいと。 必ず見つけててやる。必ずず殺してやる。あのの馬鹿は家ににおいてきたた。これでで私のの邪魔をする奴はいない。 父さん、母さん、先輩へ そちらへへは暫く行けそうににありません。 でも必ずあいつを犯人をを仇を殺すすから、仇ははとるから。 待ってていてねね。 それが終わわれれば、必ずそっちにに行くくから。 お終り 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
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【上田明也の探偵倶楽部after.act4~こぼれた砂の最後の一粒~】 聖杯を巡る戦いの間にメルは俺の側を離れていっていた。 まあ今の俺はもう冷酷な殺人鬼なんかじゃない以上、俺と居るメリットも無いか。 俺はあいつに獲物を与え、あいつは俺の怒りを発散させる力を与え。 乾いた物を互いに満たし合う、ギブアンドテークなだけの関係。 結局その程度だったのかもしれない。 ちなみに拝戸がメルと契約するしないで現在は揉めているそうだ。 「で、回想終わり。」 「何を言っているんだお前?」 「ちょっと感傷に浸っていたんだよ、その間に逃げれば良かったのに。 突き出されるのは警察、それとも組織、どっちが良い?」 「ますますお前が何言っているのか解らないなあ。」 「証拠は挙がっている。お前が宝石店から大量の宝石を盗んだこそ泥だろう? “牛の首”契約者さんよ。 正体不明の特性を使えば足が着かないとでも思ったのか?」 「…………ばれてたのか。」 「お前みたいな子供まで契約犯罪なんてね、世も末だ。」 目の前に立っているのは高校生くらいの男性。 外見は真面目そうだがこれでも“牛の首”の契約者である。 正体不明に加えて人食いや怪力の特性を持っている厄介な敵である。 契約者さえ一級品ならば、だが。 「だがおっさん!あんたに何が出来るって言うんだ! この牛の首は俺の声を聞かせるだけで相手が恐怖にかられて何も出来なくなる能力もあるんだぜ!?」 「おっさん、ねえ。まあ許そうか。もう妻子持ちな訳だし。」 俺はそのままスタスタと少年に歩み寄る。 どうみても只の子供なのだ。 何を恐れる必要があるというのだ。 「って……おい、なんで近づいてこれるんだよ?」 「いや、だって怖くないし。」 「来るんじゃねえよ!」 「いや、行くよ。捕まえるから。」 「何と契約してるんだよ!?おかしいだろうが! 牛の首の話を聞いても恐怖で精神を乱さないようになる都市伝説って――――!」 「いや、違うんだよね。俺頭おかしいから。別に精神攻撃なんて怖くないの。 契約している都市伝説は赤い部屋。 被害者の居た部屋が血で赤く染まっていたという逸話から相手を流血させたりできてね。 契約の副作用から少々力が強くなっているが……。 まあそれは所詮その程度のことだろ?」 愛する茜さんの顔だけを脳裏に浮かべる。 そうすることで都市伝説【赤い部屋】単体の力を極限まで引き出す。 この状態だと瞳が赤く染まって見えるそうだ。 「う、うわぁぁぁああ!」 牛の首の契約者は恐怖にかられて俺に飛びかかってくる。 だがまるで素人の動きなので見切って躱すことは容易い。 すれ違いざまに彼の足を指でなぞる。 そこから真っ赤な血が噴き出した。 「さぁ少年、このまま赤くなりたいか?」 「…………あ、う。」 「立てないならば良い、盗んだ宝石はもう勝手に回収したから君に拷問をするつもりはないしね。」 腰を抜かした少年に手をさしのべる。 駄目だ、子供ができると思ってからと言う物子供に甘くなってしまった。 自分の子供の頃を思い出せば子供だからと言って戦闘時に優しくする必要が無いことは解るはずなのに。 最近では子供相手に欲情する罪悪感でコミックLOの定期購読までやめてしまったのだ。 俺がさしのべる手を掴むこともなく少年はやぶれかぶれで殴りかかってきた。 それを咄嗟にパソコンで受け止める。 そのパソコンの形はとても奇妙だ。 液晶に浮かぶ赤い部屋のポップアップ。 キーボードがあるはずの場所にはYesと書かれた巨大なボタンが一つだけ。 まるで盾みたいなデザインだ。 「ふむ、まだやる気があったのか。」 「こんなところで捕まってたまるかよ!」 「いいや、捕まっておけ。今ならまだ取り返しがつくんだから。 そんな台詞は取り返しがつかなくなってから吐くものだよ。」 赤い部屋のポップアップが消え去る。 それと同時に液晶画面から真っ赤な手が大量に出てきた。 「な、なんだよこれ!?」 「赤い部屋だろ、お前がイエスを押すから悪いんだ。まあ少し中で反省してな。」 逃げようともがく暇もなく、牛の首の契約者はパソコンの中に引きずり込まれてしまった。 このまま真っ赤にしても良いのだがそうすると依頼成功にならない。 こいつはパソコンの赤い部屋に閉じ込めたまま持ち運びして組織に引き渡して、 依頼人にはこいつの盗んだ宝石を返して、それで依頼は終了だ。 「さて、今日の仕事は終わりっと。」 パソコンを懐にしまって歩き始める。 探偵の仕事はビルの経営より地道で稼ぎも少ないが中々どうして充実感がある。 警察よりも自由に、組織よりも勝手に、都市伝説の事件に関与できるというのは中々悪くないものだ。 多重契約より単一契約の方が都市伝説の力を引き出しやすい。 当然のことである。 そもそもほとんどの人間が単一契約しかできないのだ。 そして多重契約できる人間がたった一つに契約を絞った時、 通常では考えられないレベルでの都市伝説との同調が可能になるらしい。 それが今の俺、とサンジェルマンは言っていた。 多重契約のハイパワーさは無い代わりにたった一つの都市伝説の力を極限にまで引き出している。 ある意味俺の特化した才能にぴったり合っている状態なのだそうだ。 この眼が赤くなるのだけは少し恥ずかしいのだが……まあそれはそれか。 「帰りはラーメンでも喰っていくか……な!?」 「飯……、腹減った……。」 ボソボソと聞こえるつぶやき。 チラッと路地裏を眺める。 男とも女ともとれる外見の人間らしき何者かがそこで倒れていた。 間違いない、新手の都市伝説だ。気配はないがそうに違いない。 「おい、あんた大丈夫か?」 「腹減った……。」 「解ったよ、ついてこい。なじみの店が有るんだ。」 厄介ごとが飯の種である探偵稼業。 俺は迷わずそいつを助けることにした。 ラーメン屋の暖簾をくぐると店主がいつも通り暇そうに座っていた。 「おおっ!?笛吹さんどうしたんだい?」 「いや、厄介事(メシ)の種がそこらへんに転がっていたんで……。」 「…………。」 「この人には味噌大盛り細切れチャーシュー葱マシマシの背脂アリアリで頼む。 俺は魚介醤油メンマ多めな。」 「あいよっ!」 「それとビールと餃子、先にお願いできるかな?」 「よしきた、ちょっと待っててな。」 さて数分後、俺の餃子とビールは出てくると同時にすべて奪われていた。 何時の間にか俺の魚介醤油まで喰われており、結局俺は同じラーメンを三度頼まねばならなくなった。 一体どれほどの間こいつは物を喰ってなかったのだろうか。 「おいあんた、俺は私立探偵の笛吹丁っていうんだけどさ。 あ、ちなみにこれ名刺ね。……名前を教えてくれないか?」 「ん……あれ、あんた誰だ。今までの記憶がすっぽり抜けてて……。」 「笛吹丁、探偵だ。」 「おー名刺だ。成る程成る程、それで、なんで俺は探偵さんと飯喰ってるんだ?」 「空腹で倒れていたから俺がラーメン屋さんに連れてきた。」 「そうだったのか!そりゃあありがたい!」 「それで名前を……。」 「ああ、俺の名前は禰門椿、格闘家だ!」 格闘家、また妙な身分の相手と知り合った物だ。 まあ私立探偵を名乗る自分も人のことは言えないが。 こうなれば乗りかかった船だ、最後まで助けることにしよう。 とりあえずこいつに今晩宿の当ては有るのだろうか、と本人も気にしていないようなことを俺は真剣に悩み始めたのである。 【上田明也の探偵倶楽部after.act4~こぼれた砂の最後の一粒~fin】
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賑やかな市場を、一人の黒服が歩いている 市場の中には、人ではない者がたくさんいて、皆一様に、妖しげな物を商っていた 黒服は店を一つ一つ丁寧に覗いていき、時には店主と何やら交渉しているのだが… しかし、目的の物は見つからない 「駄目だねぇ、解毒の類のアイテムは、全部品切れだ」 「そうですか…」 店主の言葉に、黒服はため息をついた …ゴブリンマーケットにすら、ないとは これは、完全に解毒アイテムは諦めて、マッドガッサーを倒す事に搾るべきだろうか? 「あんた、「薔薇十字団」とつながりがあるんだろう?あちらの魔女たちに解毒アイテム作成を依頼した方がいいんじゃないのか?」 「…毒物自体がなければ、解毒の薬も作成できないでしょうから」 「まぁ、確かになぁ」 違いない、と店主は苦笑した ごりごり、黒焦げのイモリを潰しつつ続けてくる 「特殊なガスを使うマッドガッサーねぇ。本当、厄介な奴が生まれたもんだ……せめて、「富山の薬売り」が来てくれていればなぁ」 「…?いらしていないのですか?こちらの店舗にも、薬を降ろしているのでしょう?」 「来てないんだよ。あちらさんに連絡したら、こっちに向かって出発したはずだって言うんだが」 「……トラブルにでも、巻き込まれたのでしょうか」 …本当に、悪い事は重なると言うか、タイミングが悪いと言うか… 「申し訳ありませんが、もし、「ユニコーンの角の粉末」などが入荷されましたら、ご連絡いただけますか?」 「はいよ。「薔薇十字団」から紹介されたあんた相手なら、それくらいいいだろ」 ありがとうございます、と頭を下げて …そして、黒服はゴブリンマーケットを後にした 「…お、来た来た、どうだったんだ?」 人気のない路地裏に、姿を現した黒服 彼を待っていたのは「日焼けマシン」の契約者と、Tさん、その契約者、そしてリカちゃんだ 赤マントたちと別れた後、黒服は「ゴブリンマーケット」で解毒の為のアイテムがないかどうか探す事にして …しかし、ゴブリンマーケットに入る事ができるのは、特殊なカードを持っている黒服だけだ その間、他の三人と一体は、黒服を待っていたのだ ……Tさんたちがいることによって、「日焼けマシン」の契約者はかなりの数のナンパから見逃されていたのだが…それは当人たちが気づいていない事実であるし、とりあえずこの場には特に影響のない事実である 「駄目ですね。完全に品切れ状態。入荷もいつになるかわからないそうです」 「ここも空振りか」 「…やっぱ、マッドガッサーを叩きのめすしかないのか?」 ため息をつくTさんと、やや物騒な提案をしてきた「日焼けマシン」の契約者 そうでしょうね、と黒服は小さくため息をついた 「……せめて、マッドガッサーの一味の戦力が、完全にわかればいいのですが…」 「チャラい兄ちゃんがマッドガッサーと遭遇した時、傍にもう一人いたんだよな?そいつも、何かの契約者なのか?」 「…さぁ?何か能力使ったような場面は見なかったからな…」 Tさんの契約者に尋ねられ、「日焼けマシン」の契約者は首をかしげる あの場面でマッドガッサーと一緒にいたのだから、仲間と見るべきだろう しかし、契約者だったにしても、何の契約者なのかわからない まだ見ぬ「スパニッシュフライ」の契約者なのか…もしかしたら、マッドガッサーの契約者である可能性だってあるのだ 能力を見ていない以上、彼女がどんな存在だったのか、推察の域を出ない 「まぁ、こちらでも出来る限り調べてみよう。馬鹿馬鹿しい計画ではあるが…実行されてはたまったものではない」 「全くです……こちらでも、「組織」で入手しました情報は、お伝えします」 「…「首塚」でも、わかった事は伝える。ただ、こっちは情報収集あんま得意じゃないから、期待はするなよ」 当面の方針は固まった ひとまず、黒服は「日焼けマシン」の契約者を連れて、Tさんたちと別れようとしたが 「------っが!?」 「ぎゃあっ!?」 聞こえてきたのは、悲鳴 「…?何だ?」 「喧嘩、のようですが…?」 ここの、更に奥、その小さな小道で、誰かが喧嘩しているようだった 打撲音やら怒号やら、悲鳴やらが聞こえてくる 「----ぐぎゃっ!?………っがぁ!!」 その小道から、吹き飛ばされてきた人影 しかし、それはすぐに驚異的な身体能力で跳ね上がり、元の道へと戻っていった ……先ほどの若者、目つきがおかしかった …まさか 「…「コーク・ロア」の影響者ですか」 「え?」 「まさか、「コーラには麻薬成分が含まれている」、か?」 「恐らくは」 先程の動きは、体の限界を無視してのものだ 高確率で、麻薬関連の都市伝説の気配がする そう言えば、「コーラには麻薬成分が含まれている」の都市伝説と契約した者で暴れている者がいる、と「組織」の連絡網で流されていた …マッドガッサーの件とは関係なさそうだが、放っておく訳にもいかない 「…それでは、Tさん、これで。私は少々、あちらの件を片付けてきます」 「あ……ま、待てよ」 Tさんにそう言って、黒服は打撃音が響く小道へと向かっていく 「日焼けマシン」の契約者が、慌ててその後を追いかけた Tさんたちは、そんな2人の後ろ姿を見つめて 「…どうするんだ?Tさん」 「どうするのー?」 「…まぁ、放っておく訳にもいかんか」 黒服は戦闘力がある訳でもないし、彼を護ろうとする「日焼けマシン」の契約者は、女性の体になったせいで戦闘力が落ちている コーク・ロアとの契約者がどんな人物かは知らないが…念のため、と言う言葉が世の中には存在する 危なくなった時に備えて、とTさんも二人の後を追いかけた 「--がはっ!?」 どさり また一人、若者が沈んだ っち、と、対峙していた青年が舌打ちする 「…弱いな。これで終わりか?」 「く、くそ……っ!?」 コーラのペットボトルを持った中年が、狼狽した表情を浮かべていた おかしい おかしいだろう 己の能力によって、身体能力を強化した若者たち それを操って戦わせていると言うのに…目の前の青年に、ただの一撃も与えられていない そして、10人近い数の相手と同時に戦いながらも、その青年は涼しい表情のままだ 「…いい加減、弱い奴と戦うのは嫌なんだよ……とっとと片付けさせてもらうぞ」 「ひっ………い、行けぇ、お前らぁあああ!!!!」 残った若者たちに、命令を下す 麻薬によって操られ、身体能力が強化された若者たちが青年に襲い掛かる 「…無駄だっつってんだろ!!」 怒号と共に、青年は驚異的な瞬発力で、若者の一人に接近した 大声で威圧されたのか、一瞬怯んだ若者の喉元に一撃が命中し、また一人沈む 鉄パイプを構えた若者が、青年の背後から一撃を加えようとしたが… 刹那 青年の姿が、消えた 「っな、どこに…………------っ!?」 どさり 沈む若者 何時の間にか青年は若者の背後に移動していて…そして、倒れた若者は、背中に無数の打撃を与えられたようだった これで、残りは一人 「雑魚じゃ相手にならねぇっつってんだろ!」 「ひ……ひぃっ!?」 ごっ!と残りの若者も、青年によって叩きのめされた …これで、残るは「コーク・ロア」の契約者、一人 じゃり、と青年は中年に近づいていく 「ひ、ひ…………ひぃいいいいいいいいいいっ!?」 「っと!?」 火事場のなんとやら、と言うやつか 中年は、青年を突き飛ばし、必死に逃げ出した …追うべきか? しかし、あんな弱い奴、別に見逃してもどうでもいいが… 青年がそう考えながら、逃げる中年に視線をやって 中年の逃げる先にいた、その2人の人影に…思わず、目を見開く 「どけぇっ!!」 中年は、目の前に現れた二人の人物を突き飛ばして逃げようと、闇雲に腕を振り回す しかし 「………っぎゃ!?」 ぺし、と その片割れの少女に、あっけなく脚払いを決められる 倒れこんだ中年を、黒服の男が押さえ込んだ 「…コーク・ロアですね……「組織」より、あなたの捕縛命令が出ています」 「ぐ……そ、「組織」だとぉ……!?」 がちゃり 手錠のような物をはめられた中年男性 …まぁ、そいつはいい どうでもいい それよりも 「………狂犬?」 「その呼び方やめ……って、え…………あぁっ!?」 青年に声をかけられた少女は、抗議しようとして…しかし、それは途中で悲鳴に変わった 慌てて黒服の影に隠れようとするが、もう遅い 「…どうしたんだよ、その姿」 何も知らないふりをして、そう尋ねる うぅぅ、と少女は…あいつは、居心地悪そうな表情を浮かべている 「…あなたは…確か」 「お久しぶりです」 にこり、黒服に笑いかけてやった あぁ、知っている お前は、知っているぞ? ……こいつを、幸せにしやがった、黒服め …コーク・ロアが操っていた若者たちは、どうやら一人の青年によって制圧されたようだった その青年の姿に見覚えがあって…黒服は、少々驚く そして…間が悪い、とそう思った 「日焼けマシン」の契約者にしてみれば、今は絶対に、顔を合わせたくない相手だったろうに 「どうしたんだよ、その胸、貧乳だけど………女にモテないのを悲観して、男相手に集中することにしたのか?」 「……今、俺はお前を半殺しにしても許されるよな?」 「よーし、落ち着け。その振り上げた拳を下ろしてくれ」 青年の言葉に、わりと本気で殴りかかろうと拳を握り緊めている「日焼けマシン」の契約者 まぁまぁ、と黒服は「日焼けマシン」の契約者を宥める 「…少々、この子は厄介な事に巻き込まれておりまして」 「またですか?…あなたが、こいつを厄介事に巻き込んでんじゃないでしょうね?」 青年にそう言われて、黒服は小さく苦笑する ……それを、否定できない事実 確かに、自分と関わった事でも、「日焼けマシン」の契約者は厄介事に巻き込まれてしまっているだろう あまり、否定できない 「別に、こいつのせいじゃないっ!」 苦笑する黒服を庇うように、「日焼けマシン」の契約者が前に出た やや面白く無さそうに、青年を睨みつけている 「はいはい、わかってるよ。そいつは、お前の親父代わりだもんな」 あぁ、それとも母親代わりか?と青年は笑ってくる …「日焼けマシン」の契約者の、幼馴染の青年 「日焼けマシン」の契約者から、学校町に戻ってきているようだ、という話は聞いていたが ……本当に、こんな時に顔を合わせてしまうとは だが、同時に、黒服は少しほっとしていた 「日焼けマシン」の契約者にとっての、大切な友人 彼は、昔とあまり変わりがないようだった 昔と同じように、友人である「日焼けマシン」の契約者を気遣って、こちらに噛み付くような物言いをしてくる …「日焼けマシン」の契約者を気遣っているのは、自分だけではない 他にも、ちゃんといるのだ 「……まぁ、いいや。何があったか知らないけど、お前なら大丈夫だろ?俺で力になれるようだったら相談に乗ってやるからな?」 「う………悪ぃ」 青年の言葉に、「日焼けマシン」の契約者はそう返す 「日焼けマシン」の契約者は、この青年を都市伝説に絡ませるのを嫌っているのだ 怪異に踏み込んでいない存在を、踏み込ませたくないのだろう 「…先程の、喧嘩ですが」 「あぁ、あっちが挑んできたんだよ。本当、迷惑だ」 肩をすくめてくる青年 …一応、気づいていない、か ギリギリのラインで、彼は昔から都市伝説に気付かないままだった …きっと、「日焼けマシン」の契約者は、そのままでいてくれ、と思っていることだろう 黒服とて、そう思う 都市伝説の存在に気づいていないのなら、気づかないままの方が……幸せだ 「いつでも連絡して来いよ?なんだったら、その貧乳デカくして欲しかったら、じっくり揉んでやるから」 「やっぱり、半殺しにしていいよな?」 「おぉ、怖い怖い。それじゃあ」 ひらひらと手を振って、青年はこの場を後にする ……はぁーーー、と「日焼けマシン」の契約者は、深く、深くため息をついた 「…どうして、こうも見られたくない連中に限って……」 「……厄日、と言うものはあるものですね」 そっと、黒服は慰めるように「日焼けマシン」の契約者の頭を撫でてやる うー、と、「日焼けマシン」の契約者は、複雑そうな表情だ 「何?知り合いだったのか?」 ひょこりっ 事の成り行きを見守っていたらしいTさんの契約者が、顔を出してきた あぁ、と「日焼けマシン」の契約者は頷く 「ダチだよ、俺の」 「おともだちー?」 首をかしげてくるリカちゃんに、あぁ、と「日焼けマシン」の契約者は応える ふーん、とTさんの契約者は返して… そして、どこか好奇心を含んだ様子で、続けてくる 「…ところで、「狂犬」って?」 「ぐ…!?な、なんでもねぇよ!!」 慌てて誤魔化している「日焼けマシン」の契約者 …まぁ、あの頃については、本人としては忘れたい部分もあるのだろう 黒服としても、あの時期については、極力触れないようにしてやっている 「…しかしまぁ、見事な物だ」 道で気絶している10人ほどの若者を見て、Tさんが呟く ものの見事に、全員叩きのめされている コーク・ロアの方から襲い掛かってきたのだから、正当防衛ではあるが… (…しかし、彼はそこまで強かったですかね…?) ……まぁ、黒服が知っているあの青年の最後の様子は、「日焼けマシン」の契約者が高校を卒業した頃の話だ あれから、もう三年は経っている 元々格闘技を習っていたようだったし、実力があがっていたのかもしれない そう考えて…ひとまずは、Tさんの契約者の好奇心から逃れようと必死な「日焼けマシン」の契約者を助ける事に、黒服は意識を傾けたのだった ------あぁ、妬ましい 相変わらず、幸せそうで 傍に、護ってやる奴なんていて あぁ、でも あの状態で、はたして護れるのか? あんな女の姿にされて 護りたい奴も護れないんじゃないのか? …あぁ、待ち遠しい あいつを屈服させてやるのだ 俺の力で、ねじ伏せてやるのだ あの幸せを、俺が叩き壊してやろう 俺に無断で、幸せになんてなりやがった、罰だ いつも通りの、いつからか歪んでしまった思考を抱えて 彼は一人、路地裏の奥へ奥へと、姿を消していくのだった 前ページ次ページ連載 - とある組織の構成員の憂鬱
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憎い 憎い憎い妬ましい バレンタインよ滅びたまえ 男、片桐 速雄は、繁華街を歩きながら苛立っていた 流石は2月14日 街中にカップルが溢れる溢れる 憎い憎い妬ましい 嫉妬パワー全開の片桐 …今こそ! 今こそ!自分が契約している都市伝説の能力を使うところだ!! 「はい、たっちゃん、あ~ん」 「ありがとう、南ちゃん」 OK,まず、ターゲットはそこのベンチでチョコレートを「はい、あ~んv」なんぞやってやがるカップルだ 女性が持っている、チョコレート それに、片桐は視線を向けた その瞬間 どろり…チョコレートが、変化する 「っきゃあああああああああああ!!??」 「うわ、な、なんだぁ!?」 途端に、周囲を巻き込みパニックになる ニヤリ、片桐は笑いながら、その場を後にした あぁ、愉快 楽しい楽しい 片桐は、都市伝説契約者だ 「チョコレートは牛の血を固めた物」 そんな、古い都市伝説と契約していた 能力は、非常にシンプル チョコレートを牛の血に変え、牛の血をチョコレートに変える もっとも、片桐の視界内にそれが入っていなければ効果は発動しない あぁ、箱の中に入っているチョコレートも変化させられるなら、もっとたくさんのカップルにぎゃふんと言わせられるのに 「…あぁ……彼女欲しいな…」 できる気配はないけれど とにかく、今はカップルがどこまでも憎く憎く、妬ましく 今日中に、たくさんのチョコレートを牛の血に変えてやろう そう考えながら、片桐は学校町を彷徨うのだった 終われ 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
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黒い夜闇の中歩む男がいる。 思い起こすのは自らの最期に見た光景。 シビュラシステムの申し子たる執行官と、新たな社会の導き手となるだろう監視官。 (全て彼女に……常守朱に託してきた。彼女ならばシビュラの統治ではないあるべき形で社会をやり直せるはずだ) 赤信号をみて、歩みを止める。 隣で同じように信号を待っている男に、携帯していた巨大な銃口を向ける。 『通信エラー、システムとのリンクを構築できません』 響きわたる電子音声。 (やはり、ドミネーターは無用の長物か) 最も使えたところで、これに頼ったかどうかは別だが。 信号が青に変わった。横断歩道を1人、渡る。 信号はすぐに赤くなった。 少し歩いて、すれ違った女性と二、三の言葉を交わす。 (ここにもいるのだろう。シビュラに依存した民のように、聖杯に縋った者が。 だがそのために僕のように不本意に呼び出された者もいるはずだ。願いを叶えようとするものの数合わせに過ぎない者が。 一つの願いのために犠牲を強いる、実に傲慢なシステムだ) 空が白み始める。 横たわる女性の顔は真っ青に染まっていた。 「NPCにも色の好みの違いはあるのか…… 彼は赤が好きで、その人は青が好きだったんだね」 倒れた女性に近づき、『魂喰い』するサーヴァントを見てぽつりと語る。 「『聖杯』よ、お前の色は何色だ?お前を裁くまで僕は歩みを止めない。 協力してもらうよ……『赤マントの怪人』」 あなたは赤に染まりたい?黒に染まりたい?青に染まりたい?白に染まりたい? 彼らと出会えばあなたの望む色になれるかもしれませんよ。 【クラス】 ライダー 【真名】 赤マント(怪人A)@地獄先生ぬ~べ~ 【パラメーター】 筋力B 耐久E 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具C+ 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 騎乗:E- 都市伝説と言う存在、彼をはじめとする『噂に乗る』ライダーは騎乗スキルを持ちえないものが多い。 赤マントに騎乗の逸話はないが、飛ぶという逸話と『風聞に乗る』という成り立ちから最低限保持する。 風に乗り、空を駆けることを可能としている。他の乗り物などは一切乗りこなせないが、希少な形の騎乗スキルと言えよう。 空を飛ぶスキルではなく、あくまで空に乗るスキルなので四方八方自在に動くことはできない。空中にある彼にしか踏めない床を走るイメージ。 対魔力:C 赤マントは近現代の都市伝説であり信仰・神秘は少ない。 しかし赤い頭巾や靴など装身具と言う共通点を持つ童話や童謡の逸話も取り込むことにより、霊格を向上させ、それに伴い対魔力も向上している。 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術・儀礼呪法など大がかりな魔術は防げない。 【保有スキル】 殺人鬼(真):A 人の道を外れた行為、殺人を重ねたものは人ならざるもの、鬼と呼ばれる。 怪人Aは下校中の子供ばかりを100人以上も惨殺した殺人鬼であり、また鬼の手に魂が触れたことにより『鬼』の属性を得て、一種の『混血』と化している。 持ち前の殺意と執念に加え、『鬼』としての頑健さも獲得したことで同ランクの戦闘続行も内包する。 怪力:C 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。 使用する事で筋力を1ランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。 本来人間である怪人Aはこのスキルを持つことはできない。 しかし『赤マント』はこのスキルを保持するのに加え、先述のスキルで魔物である『鬼』の属性を獲得しているためCランク相当で保持する。 都市伝説:B+ 噂で成り立つ都市伝説であるということそのもの。噂で成り立つスキルというのは無辜の怪物に近いが、最大の違いはその噂が全て真実になり得るということ。 赤マントは多くの派生都市伝説を持ち、また赤い装身具の『元型』の童話や童謡も逸話として取り込んでいるため高ランクで保持する。 聖杯戦争が行われる地でその都市伝説、この場合『赤マント』が知られている限り幸運が2ランク上昇する。 噂は一人歩きする者であるため同ランクの単独行動も内包する。 このスキルが高ランクであるほど現象に近づくため、固有の人格は薄くなる。 B+ランクともなればただ伝承にあるような言葉しか紡がず、思考も伴わない。 そのため、本来子供のみを殺害してきた怪人Aは老若男女問わず殺す都市伝説『赤マント』に大きく近づき、無差別の殺戮を行う。 【宝具】 『死に方くらいは選ばせてあげよう~青髭は如何にして妻を殺す~(ワットカラー?)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:1人 「赤が好き?青が好き?白が好き?」の問いに対し答えたものを色になぞらえて殺す。 赤が好きなら血まみれにして、真っ赤に染めて殺す。 青が好きなら窒息させてチアノーゼ、真っ青に染めて殺す。 白が好きなら血を全て抜き取り、血の気の失せた真っ白に染めて殺す。 誰かに問わねば在り方が曖昧な赤マントという都市伝説において最も象徴的な逸話。 三つの問いは三途の川。答えた時点で死んでいる。 宝具が発動した時点で鎌に切り裂かれる、ロープで首を絞められるかロープで重りをつけられた状態で水中に放り込まれる、巨大な注射針を刺されての出血多量、そのいずれかの未来が確定する。 その正体は赤マントによる虐殺という結果の後に問いを放つという原因を導く、因果の逆転である。 この宝具を回避するにはAGI(敏捷)の高さではなく、発動前に運命を逆転させる能力・LCK(幸運)の高さが重要となる。 なお必中攻撃ではあるが必殺ではないので、致命傷を負っても何らかの手段で治療をすることや並外れた耐久力により死の運命を回避することが可能。 場合によっては唯の小学生すら殺し損ねるが、死をもたらす宝具であるため本来なら在り得ないサーヴァントの失血死や窒息死と言う事象も起こし得る。 ある意味で当然だが、この宝具の発動を目にしたものは高確率で『赤マント』という真名を看破する。 『あなたにはガラスの靴より焼けた靴~白雪姫の母の末期~(クリムゾン・シューズ)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:1人 赤い靴はいてた女の子、異人さんに連れられて行っちゃった。 好きな色の問いに対して黄色などと答えると異界へと連れていかれるという噂に加え、赤マントの派生した都市伝説には、赤い毛布にくるまって寝ている人物が子供を毛布にくるんで異界へさらっていくというものがある。 三つの問いは三途の川。答えた時点で死んでいる。 異界とはすなわち冥界。答えなくても死んでいる。 ワットカラー?の問いに見当違いの答えを返したもの、答えずに攻撃や逃走などの選択をするなど質問を無視した者を地上333m、または地下333mに転移する。 善人ならば天国へ。天に昇って、落ちて死ぬ。 悪人ならば地獄へ。地に埋もれ、潰れて死ぬ。 上空で足掻くのも地下でもがくのも、まるで無様な死の舞踏。 その正体は赤マントによる誘拐・転移という結果の後に問いを放つという原因を導く、因果の逆転である。 この宝具を回避するにはAGI(敏捷)の高さではなく、発動前に運命を逆転させる能力・LCK(幸運)の高さが重要となる。 死をもたらす宝具であるため本来なら在り得ないサーヴァントの墜落死や圧死と言う事象も起こし得る。 幸運判定に失敗した場合宝具は不発となり、敵をどこに転移することも出来ない。 また対象となった者は『赤い靴』を脱ぐ=両足を失うことでこの宝具を無効化できる。 物理的に失わずとも機能していない(歩けない)者にこの宝具は無効である。 なおただ転移するだけであり飛行能力などを封じることはできないため生き残る術が皆無な訳ではない。 『人喰いの狼から生まれる者~赤ずきんは再誕する~(ネバーエンディング・テリブルストーリー)』 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:0~99 最大捕捉:1人 赤ずきんは狼に食われた後、そのお腹を切り裂くと出てきた。 そしてそのお腹に大量の石を詰めて、狼を殺した。 狼は死の象徴であり、また日の出の象徴でもある。 石とはキリストがパンにしたものであり、パンはキリストの肉、ひいては人の象徴である。 大量の石は「三途の川」の積み石のように、死と罪の転嫁を意味する。 再誕を象徴する「赤ずきん」の物語と鬼の手のよる幽体剥離を受けてなお復活した逸話が合わさり、昇華した宝具。 『赤マント』を殺害した者が「石を取り込む=人を殺めた」後に命を落とした場合、『赤マント』はそこから再び生まれる。 ステータスや宝具など全て同一の『赤マント』そのものである。 【weapon】 『無銘・大鎌』 何の変哲もない巨大な鎌。サーヴァントにダメージを与える程度には神秘を秘める。 『縄』 同上。 『巨大な注射針』 同上。 いずれも魔力消費により生成・修復可能。 【人物背景】 怪人Aは仮面を被り、逆さの十字架を身につけ、赤いタキシードとマントを纏う連続殺人鬼。 下校中の子供ばかり100人以上を惨殺し、最初の犯行から30年以上たっても未だ捕まっていない。 元は床屋の店主だが、子供の悪戯で店が全焼し、自身も全身に大火傷を負ったことで子供を憎むようになったと噂される。 殺害の際に「赤が好き?青が好き?白が好き?」と問いかけ、答えに応じた殺し方をする、都市伝説『赤マント』を彷彿とさせる所業を行っていた。 ぬ~べ~の担当する生徒も殺害しようとしたが、悉く阻まれる。 鬼の手による幽体摘出、身に付けたマントが燃える、高所からの落下と致命的な事象を経験するも立ち上がり闇に消えていった。 今もどこかで怪人Aは子供に問いを投げかけ、殺しているのかもしれない。 ここにいるのはいつかの時間軸で死亡したであろう怪人A。 実在しない『佐々木小次郎』の殻をかぶってある農民が召喚されたように、都市伝説の妖怪『赤マント』の殻をかぶってサーヴァントとして現界した。 『赤マント』は1930年頃に日本で広まった都市伝説。 元はトイレで「赤い紙が欲しいか?青い紙が欲しいか?」との問いに赤と答えると血まみれにされ、青と答えると血を抜かれて死ぬという都市伝説。 同時期に流行った赤いマントをつけた怪人物が子供を誘拐し、殺すという都市伝説や青い紙ではなく白い紙だという噂などが合わさり生まれたと考えられる。 他にも実在した吸血鬼だ、連続殺人鬼だ。テストの回答を間違えるのを恐れた子供の深層心理の表れだなど様々な説が語られる。 悲劇と遭遇する赤い装身具からグリム童話の『赤ずきん』、アンデルセンの『赤い靴』などを元型とも捉えられる。 そして『マント』だけでなく『ちゃんちゃんこ』や『袢纏』、『マフラー』など多くの派生や起源をもつ。赤い服装のモノが問いを投げかけ答えによらず殺害するというのはあの『口裂け女』の起源とも考えられる。 多くの都市伝説が束ねられた恐怖の結晶であり、多くの都市伝説を生み出した恐怖の根源。 赤いマントを来た怪人が「赤が好き?青が好き?白が好き?」と問い、答えによらず殺すという怪人譚。 「あかーい半纏着せましょか♪」と歌が聞こえてきたら、あなたもご用心。 【サーヴァントの願い】 殺戮。 【マスター】 鹿矛囲桐斗@PSYCHO-PASS2 【マスターとしての願い】 望まぬ参加者を集める聖杯に裁きを。 【weapon】 『ドミネーター』 対象の犯罪係数を計測し、潜在犯と認定された者を執行する機器。 大柄な拳銃のような形状をしている。 セキュリティに関しては、摘出した酒々井水絵の網膜パターンをコピーしたコンタクトレンズを使用することで突破可能。 尤もシビュラシステムの存在しない冬木では機能せず、無用の長物も同然である。 【能力・技能】 薬学・心理学に長ける。 薬物と心理誘導によって不健全化した他人のサイコパスをクリアにすることが出来る。 『繋ぎ合わされた死体』 航空機墜落事故の唯一の生き残りであり、他の乗客184名の遺体を使った結合手術(脳や臓器や肌などを継ぎ接ぎに移植されたこと)で命を繋ぎ止めた。 そのため機械の認識上は『繋ぎ合わされた死体』にすぎず、サイコパスが認識出来ない存在だった。 魔術的には合成獣(キメラ)やリビングデッドに近似した存在であり、その在り方そのものが神秘と化している。微小ながら魔力供給が可能。 シビュラ以外の機械や魔術にどのように認識されるかは不明。 【人物背景】 シビュラシステムに敵意を抱き、社会と人々を「クリアにしたい」と語る青年。 実態は墜落事故で唯一の生存者であった「鹿矛囲 桐人」という子供をベースに、東金財団が保有する医療特許技術の実験台として同事故被害者184名の遺体部位を使用した多体移植手術の結果、集合体として存在するに至った人間である。 複数の人間の身体組織が単体の人間として定着・融合していくにつれ、システム上では繋ぎ合わされた死体としか認識されないためスキャナーに探知されなくなっていき、最終的にサイコパスが測定できなくなったことで一般人からも疎外されるようになってしまっていた。 自身を社会から切り離したシビュラシステムを裁くために、仲間とともに数々の犯罪行為を行う。 数々の実験を兼ねた事件を経て、シビュラシステムの位置を確めようと画策していたが、犯行中に常守朱からの呼びかけに応じ、その導きによりシビュラの元に赴くことになる。 途中、立ちふさがった義体使用のシビュラの一体をドミネーターのエリミネーター・モードにて執行し、朱と共にシビュラシステムに集団的サイコパス計測を認めさせ、複合体としての鹿矛囲だけでなく、シビュラシステム自身の裁きにも成功する。 その直後、いずれ朱の正義が社会を導くと諭して社会の未来を託し、現れた東金朔夜とドミネーターによる相撃ちになり、死亡する。 システムの囚われないよう、社会そのものの『やりなおし』を願った、その瞬間の参戦。 【方針】 聖杯と向き合い、濁った色をクリアにする。 そのために参加者を、赤か、青か、白に染め上げる。 ……聖杯の元へ赴けるなら他の手段をとるのもやぶさかではないが。
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ーーーーちゃぽんっ 「まぁ、それぞれ役割というものが存在する故。どの問題も、おそらくは適任者が片付けると思うのだけれどね」 ちゃぽんっ。ちゃぷんっ 除染作業を終えた後、「先生」は一人ふらふらと学校街の中を歩き回っていた 川沿いをゆっくりと、白衣をひらめかせながら、携帯で誰かと会話しながら歩き続ける 「その点で言えば、「狐」関連は完全に適任者逹がいつでも動けるようにしている故。「狐」連中はもはや詰みだ。そもそも、この学校町で何かしら厄介事を越している時点で詰みだと言う事はさておいてね」 ちゃぽ、ちゃぽぽんっ ゆっくり、ゆっくりと 川沿いを歩きながら、「先生」は何やらぽいぽい、と川に投げ込んでいく 投げ込まれたそれらは、川に沈むことなくぷかぷか、ぷかぷかと浮かんでいた 「ピエロ連中関連も、「怪奇同盟」のトップの暴走案件も。「赤マント」大量発生から連なる子供の失踪事件も………どれも、場所がこの学校町であると言う時点で、私から見ればどうしようもなく、黒幕にとっては詰んでいる事態としか思えんがね。この街で何か起こそう等と、正気の沙汰ではない。自殺願望者か愚か者でもなければやらんわ。発狂中だった私とて、学校街は避けただろう」 ちゃぷん………っちゃぽん 「先生」が川に投げ込んでいるのは、瓢箪だった 中身の入っていない、蓋がされた瓢箪が。ぽいぽい、ぽいぽいと川へと放り込まれる ぷかぷか、ゆらゆら 沈むことなく瓢箪は浮かび、ただ流されていく 前方から何やら騒がしい声が聞こえてきているのだが、それを気に留めた様子もなく、「先生」はその作業を続け、携帯での会話も続けている 当然、まるで無警戒に、不用心に、喋りながら歩いているようにしか見えない「先生」にピエロ逹は気づく 悪趣味に笑いながら、そちらへと火を向けようと 「無茶言わんでくれ。私は非戦闘員だぞ?」 …ピエロ逹の様子が、おかしくなる 何やら苦しげに、酸素を求めるように口をぱくぱくとさせながら倒れ始めた バチバチと、「先生」の周囲に赤黒い光がのぼり、ピエロ逹の周囲の空気へとちょっかいをだす ピエロ逹の周辺だけ、酸素を延々と水素とくっつけて水へと錬成し、ピエロ逹へと呼吸を許さない ……いや、一人だけ、かろうじて死なない程度には呼吸を許されていた ギリギリラインの酸素濃度を維持された状態で、ピエロは倒れ込む 「私は、あえて言うなら「保険」のようなものだ。物語というものにおける問題の対処法を作者が考えついていなかった時、「こいつならどうにかできるだろう」と言うように用意されている手段の一つ。私の立場はそのようなものにすぎん。本来の正しい「主役」が存在するのであれば、私の出番等、モブも同然でしかないのだよ」 ちゃぽんっ 瓢箪を投げ込みながら、「先生」はかろうじて呼吸を許していたピエロへと近づき、その首根っこを掴んだ その細身からは信じられない力で、ずるずると路地裏へと引きずり込んでいく 「故に。今現在も、私はその「保険」としての役割をはたすべく、「保険」となりえる行動をとっているつもりだ。まぁ、私でも「保険」にならんようだったら、もういっそ「レジスタンス」から「奇跡」か「ピーターパン」でも呼んで…………あ、駄目?」 ぺいっ 路地裏の奥にピエロを投げ込みながら、携帯の向こう側の人物の言葉に「先生」は面白がっているように笑う 「ですよねー。知ってる。彼らを呼んだら、それこそ「物語」は台無しであろうて。「デウス・エクス・マキナ」契約者や概念殺しができるような者呼んだらそうなる。が、最終手段は本当、それだぞ?それぞれの「主役」に頑張ってもらうしかあるまいて。誰がそれかは知らんが」 す、と「先生」は路地裏に座り込む ぺふ、とピエロの頭を自分の膝の上に載せると、白衣の内側からメスを取り出した ……ばちばちと、「先生」から登る赤黒い光がピエロを包み込む 「あ、それじゃあ。今からちょっとピエロの頭の中覗くな。情報手に入り次第、リアルタイムで情報を送る故、すまんがそのまま繋いでおいてくれ」 いつもとおりの軽い口調でそう言いながら さっくし、「先生」はピエロの頭へとメスをいれはじめた バイクの轟音が鳴り響く ひかりをサイドカーに載せたまま、「ライダー」は東区に向かってバイクを走らせていた 彼女の身内が東区にいるようなので、そちらへと送ろうとしているのだ 途中、ピエロの石像の間をくぐり抜けながら、スピードを落とした様子はない 「さっきから、時々空がピカピカ光ってっし、派手にやってんなぁ」 半ば他人事のようにそう言いながら、「ライダー」は目的地へと向かう サイドカーに乗るひかりは、先程通り過ぎたピエロ逹の石像を見て……そうして、「ライダー」を見上げた 「あのね、おじちゃま……」 「あ、俺、ガールから見るとおじさん認定……まぁいいや。なんだ?」 「うん。えっとね。おじちゃまは、もしかして…」 ……何か、ひかりが言いかけて しかし、「ライダー」はそっと、それを制した 「やめとけ、ガール。契約都市伝説の力、今はヘタに使うな。あの場に居た、なんかロリコンの気配を感じなくもない奴。あいつの能力がガールの能力に思い切りカウンターかましてきそうな予感がする」 「おじちゃまは、それを感じ取っているのは能力じゃないの?」 「俺のは百%ただの直感だから、感知系やら何やらへのカウンターは刺さらないのさ」 悪戯っぽく笑い、そう答える「ライダー」 事実、彼の契約都市伝説は感知系の能力はない 本当に、直感で言っているのだ と、言うか、この男。そもそも直感頼りに動くことが多い それでなんとかなっているのだから、本能に基づいた直感がかなり強いのだろう 「それと……俺ん事も、あんま能力で探ったりしないほうがいいぜ。俺は別に構わないが、怖いおじさんとかが怒りに来るかもしれないからな」 「「レジスタンス」だから?」 「そう。内緒の事が一杯だからな」 少し、バイクのスピードが上がる 「少なくとも、今回この街で起きている多々の厄介事。その全てに「レジスタンス」は反逆する。そう覚えておいてくれりゃいい」 敵ではないのだ、と それだけは明確にしたいと言うようにそう告げながら、「ライダー」は夜の街にバイクを走らせ続けた 「………はい、駄目ー。ろくな情報ないね!そっちでも、情報引っ張り出そうと思わんほうが良いだろう。時間の無駄だ」 丁寧にピエロの脳みそを開き、ぐちゅぐちゅと引っ掻き回して探っていた「先生」だったが、お手上げというように携帯で話している相手にそう告げた 脳を開かれた状態になりながらも、ピエロは命をつながれていた しかし、感じているはずの痛みを喜んでいる様子もない ……何も、感じなくされていた 全ての感覚を、先に殺されている 指一本動かせず、ただか細く呼吸した植物人間のような状態だ 「歩きまわってる最中、他のピエロと明らかに違う動きをしている者がいくつかいた。恐らく「通り悪魔」の御仁辺りが、本拠地に戻ってそっちに放火するよう唆したのであろ。あの御仁、「悪魔の囁き」から教わって割合細かくその手の唆しできたはずであるし」 メスについた血やら何やらを拭い、白衣の内側にしまい込む そうしてから、「先生」はそっと、脳を開いたピエロを撫でた 撫でる手のひらからばちばちと赤黒い光が生まれ、ピエロの体はぐじゅぐじゅに溶けていく 「ピエロの情報探るなら、そうやって本拠地に向かっているピエロの後をそっとつけていって、本拠地突き止めるほうが早いやかもしれんね。ただ、危険度は洒落にならんと思う故、実行する場合は計画的にね」 ぐじゅぐじゅ、ぐじゅぐじゅと ピエロを溶かしきり、さて、と「先生」は立ち上がる 「では、私は引き続き、私がやるべき作業へと戻るよ。また何かあったら連絡してくれ」 誰と連絡しあっていたのやら、そのように会話を打ち切ると 「先生」は再び川沿いを歩きはじめ、川へと空の瓢箪投げ込んでいく 「……ひたえの瓢の、南風ふ吹けば……」 ゆるゆると、その口から歌のような、呪文のような言葉が漏れて ちゃぷりっ、川に浮かぶ瓢箪は、決して沈むことなくぷかぷか、浮かび続けていた to be … ? 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達
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「………」 …二人の少年が、立ち去った直後 そこに、一人の黒服が現れた 少年たちが立ち去った方角を、じっと見つめる その黒服の足元で、顔面をすべてフジツボに覆われた口裂け女は…静かに、光となって消えていこうとしていた 命を落とした都市伝説は、例外を除いて……こうやって、消滅する 「…二人とも未成年、ですか」 小さく、黒服はため息をつく …この町は、都市伝説が現れやすく、契約者も現れやすい そして、全体的な傾向として…どうも、未成年者が契約者に選ばれる事が多い 特に、あれくらいの年頃の子供たちが 思春期故に、都市伝説と感応しやすいのだろうか? そう言った傾向に付いて、もっと組織では議論すべきだと思う 「困りましたね…」 はたして、彼らを組織に誘って、よいものかどうか 「組織」に誘ったとして…彼らに、汚い仕事などやらせたくない 未成年者の手を汚させるなど……御免だ しかし、「組織」に所属する事になったら、そんな甘いことは言っていられないのだろう 特に、今現在、組織はかなりの数の黒服と契約者を失い、弱体化しているのだ そんな状態で、新たに「組織」に所属するとなると…容赦なく、仕事が舞い込むに違いない 彼らという、将来に希望がある子供たちを、そんな組織に所属させていいものか ……しかし たとえ、自分が誘わなくとも 「組織」の別の誰かが、彼らを組織に引き込もうとするかもしれない そうなったとして、彼らはどう答えるか? …「組織」の抹殺対象にならなければいい そうとだけ、彼…否、まだ例の毒が消えていない為、今は彼女だが…は、そう祈るのだった 前ページ次ページ連載 - とある組織の構成員の憂鬱
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